飲食店をやりたくても、何から始めていいのかわからないという方がほとんどだと思います。
僕自身の経験を元に、前回まで飲食店開業に向けてやるべきこととして【情報収集編】、【修業先選び編】、【修行期間編】、【修業時代に学ぶべき姿勢と行動】を紹介しました。
厳しい環境で学んだ修業時代も佳境に入り、ついに開業において特に重要な【開業場所】を探す時期になりました!
ただ、この立地選びがほんとに難しくて、正直なところ正解がありません。
そんな正解がない立地選びについて、私なりにそれぞれの場所についてのポイントを解説していきたいと思います!
立地選びの重要性
飲食店の成功において【立地】は特に重要な要素です。
どんなに美味しくてもお客様が来なければ経営は成り立ちません。
ずっと経営していると、ある程度どの辺が良いとかわかってきますが、初めて開業する方にとってはほとんどわからないという方が多いと思います。

飲食店は【集客】がすべてです!
この立地選びが後に、日々の売り上げに関係してきます。
例えば、【駅前】と【住宅街】とでは、集客力だけをみたら大きな差が出る可能性があります。
これはどっちが正解かという事ではなく、集客だけを見た場合に歴然と差は違ってきます。
【住宅街】でも、もちろん成功することは全然可能であり、繁盛しているお店は多く存在しています。
ただ、認知度や固定客が増えるまでの努力が必要になってきます。
要するに立地選びは【人が集まりやすい環境】であることが重要です!
各立地の特徴【メリット・デメリット】
立地には色々な場所があります。
立地の特徴を理解した上で、自分の業態やターゲットに合った場所を選択することが非常に大切です!
私なりに各立地の特徴をまとめてみたので、参考にしてみてください。
立地・エリア | メリット | デメリット |
駅前・繫華街 | 通行量が多い 認知されやすい 集客力が高い | 家賃が高い 競合が多い 回転率が求められる |
駅前や繁華街では、ランチとディナーのどちらも飲食店全般には向いているエリアになります!
このエリアの通行量は、毎日何万人という人が歩いていますし、集客力も高く認知もされやすいので1番人気の高いエリアになります。
しかし競合が多い分、必ず集客できるわけではなく家賃も高いので、リスクはものすごく高くなります!
立地・エリア | メリット | デメリット |
オフィス街 | 平日の昼の需要がある 常連がつきやすい | 家賃はやや高い 土日祝の売り上げが落ちる 出店タイミングが限られる |
多くの企業があるオフィス街では、サラリーマンやOLが働いていますので、特にランチの需要が高いエリアになります。
カフェ・ラーメン屋・定食屋・弁当販売などのランチ需要を狙う業態に適していると思います。
夜のオフィス街は人通りの量が一気に減るので、夜の営業はランチに比べると売り上げに差が出る可能性はあります。
ちなみに当店は、オフィス街にありますが夜は閑散としています。しかし、優しいお客様が多く来てくれるお陰で長く続ける事が出来ております!
立地・エリア | メリット | デメリット |
住宅街・郊外 | 家賃が比較的安い 近所の固定客がつきやすい | 認知に時間がかかる 広告やSNSの宣伝が必要 |
家族連れや地元または近所に住む人をターゲットにするので、ファストフード店、ベーカリー、カフェ、レストラン、居酒屋など比較的多くのジャンルに適していると思います。
しかし、地元の方や近隣に住む方しか認知されないので、多くの集客をしたい場合は広告やSNSを使用した宣伝が必要になります。
立地・エリア | メリット | デメリット |
観光地・商業施設内 | 繁忙期の売り上げが大きい 地方でも集客が可能 | 時期により売り上げが不安定 契約条件が厳しい場合がある |
主に家族連れが多いエリアなので、比較的どのジャンルも適していると思います。
観光客向けの商品があるお店は、さらに良いと思います!
開業場所を選ぶ時のチェックポイント
開業場所を選ぶ際、どんな事に注目し気を付ければいいのか?
実際に現地で確認する時に、チェックする項目をまとめてみたので参考にしてみて下さい。
人通りの量と質
人通りの量は、とても重要な事。ただ、通行量が多いというだけでは情報は不十分です!
もっとも重要な事は
その通行量に対しどんな層が多いのか?
そして、自分のターゲット層が
多いのか?少ないのか⁇
お店のジャンルによって、ターゲット層は変わります。
また、周辺の住民層や街、商店街の雰囲気、その地域の治安の良し悪しも重要なチェック項目です。
自分の足で見て回り、自分の目でしっかりと人の流れ方や曜日や時間帯ごとの流れを観察するのが1番わかりやすいと思います。
自分のやるお店が、どのターゲット層に適しているのかを把握して確認してみてください!
競合の有無
最初に競合があっても無くても、チャンスです!
ちなみに私が出したお店の場所は、比較的焼き鳥屋が多い場所にお店を構えました‼
当時は

勝負するには良い場所かな。
と、思ったのが理由です。
ただ競合があるという事は、お客様の間で価格のことや差別化が出てくるので、ライバルが多い場所では特に価格や料理の質など色々な事に注意が必要です。
また、競合が全くないことも良いと思います。
【唯一の○○屋】としてできるので、すごく魅力があると思います。
ただ、競合が全くないという事は【需要がない】可能性があるので注意が必要です。
周りにライバルがいないからといってあぐらをかいていると、いざ同業が近くに出店した時に、大変な思いをする事になるので常に【精進】する事を忘れないで下さいね!
視認性
お客様から認知されるためには、視認性も特に重要なチェックポイントになります。
駅前や繁華街エリアでは視認性も良いと思いがちですが、全てがそうとは限りませんので注意が必要です。
なぜなら、繫華街エリアでお店を探しているお客様はたくさんあるお店の中から1つのお店を選びます。そこでお客様の視覚に何のお店なのかがわかれば選びやすいという利点があるからです!
先ほども説明しましたが、駅前・繫華街エリアは人通りが多い分競合相手もかなり多いです。
例えば、お客様がお店を見る時に必ず見るものと言えばお店の外観と看板です。

外から見た雰囲気と看板を見て、お客様が何のお店がわかった時に安心に繋がります。
当店も道路に面しており、人通りは少ないものの車の交通量は多いんです。また、ちょうど信号機があり、赤信号で止まった車が当店を見ることが多いのです。
そのため、私は焼き鳥屋だという事をまず知ってもらえるように、視認性を得るために大きい看板を設置しました!
その結果として、当店の前を車で通る方が来店してくれるパターンが多いのです‼
繫華街エリアだからといって油断せずに、競合相手に少しでも有利であるために、自分のお店が何のお店何かを知ってもらえるように視認性の対策はしっかりと行って下さい!
駐車場の有無
お店の場所を選ぶ際の悩み事の1つに、駐車場問題があります!
単刀直入に言うと
駅前・繫華街エリアやオフィス街エリアは、駐車場はなくて大丈夫です!
繫華街・オフィス街エリアであれば、必ず近くにコインパーキングが多数あると思いますので、そちらに駐車してもらえます。
しかし、郊外物件では駐車場は必須項目です!
なぜなら、先ほどエリア別の特徴で説明しましたが、郊外エリアでは家族連れや地元または近所に住む人をターゲットになりますので、車で来ることが前提になるからです。
そのため、駐車場がないだけで候補から外されやすいというデメリットがありますので注意が必要です!
車移動が多い地域や家族連れなどのターゲット層によって、駐車場の有無は重要となりますので、是非駐車場付きの物件を選ぶ事をおすすめします!
また当店の場合は、コインパーキングに駐車してもらっていますが、コインパーキング会社と提携しています。提携する事で、コインパーキング会社から割安でサービス券を購入する事ができます。
提携パーキングをご利用されたお客様には、当店にご来店してくれたお礼として駐車場サービス券を配布することで、少しでもお客様の負担を減らすような努力をしております。
一度コインパーキングの管理会社に連絡し、相談してみるのも良いと思いますよ!
コンセプトと立地の相互性
最後に確認したいチェックポイントは、この【コンセプトと立地の相互性】です。
自分で飲食店を経営する上で、必ず【コンセプト】を設定します。その自分のコンセプトが経営の中心となります。
当店では
【夫婦二人で営む小さな焼き鳥屋】というキャッチコピーがあります。
コンセプトは
- 焼き鳥を楽しむ
- 焼き鳥を食べたいと思った時に、気軽に来れる町焼き鳥屋
これが当店の経営のコンセプトとなり、基礎となっております。
今まで調べてきた情報と自分のコンセプトがどのくらいかみ合っているのか?
自分のコンセプトに合うターゲット層が多いのか?
雰囲気はどうなのか?
最後にしっかりと答え合わせをして、最終判断をして下さい!
まとめ
開業場所を選ぶポイントをいくつか紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
飲食店の立地選びには、今後長く経営する上でとても重要な要素になります。
立地の特性を把握し、ターゲット層や雰囲気、人通りの量や質、そして、競合の有無などを自分の目でしっかりと確認する事が大切です!
最後に自分のコンセプトと立地がしっかりとかみ合っているのか?
このバランスをしっかりと見極めて準備をして下さい!
そして、お客様を喜ばせるために唯一無二の自分のお店を作ってください!
応援しています‼
人によって経験した事や考え方が違います。
あくまでこのブログでは、私の経験を元にこうすれば良かった、これはやっておいて良かったと思った事を紹介しております。
コメント