焼鳥雑学【焼き鳥】と【やきとり】の違いは?【日本三大・七大やきとり】

経営理念

今や日本に欠かせない焼き鳥。

みなさんが見る【焼き鳥】と【やきとり】の文字。

私たちは「焼き鳥(やきとり)」という言葉や文字を何気なく使っています。

しかし、その表記やニュアンスには、実は違いがあるんです❗️

そして、これが地域による文化・歴史と深く結びついています。

この記事では

  • 「焼き鳥」と「やきとり」の表記上・意味上の違い
  • 日本三大・七大やきとり/焼き鳥の地域別スタイル
  • 各地で愛されるやきとりの特色

といったテーマなどを丁寧に解説し、読み応えある内容でお届けします!



焼き鳥とは?

焼き鳥(焼鳥)とは

鶏肉を串打ちして、塩・タレなどで味付けして焼いたものを指します。

すなわち

鶏🟰鳥(野鳥)の肉を焼いた串料理です。

語義的には

  • 肉を焼く→焼き
  • 鶏・鳥(野鳥)→鶏肉・鳥肉

という直截的な構成です。

また「焼鳥」という漢字表記を用いる場合もあります。

例えば、絵的・視覚的に印象を強める用途だったり、飲食店の場合では経営者によって視覚的なバランスにより使われる事があります。

ちなみに、当店でも文字のバランスを見て「焼鳥 とりはな」という表記にしています!


やきとりとは?

やきとりと平仮名で表記される場合は

鶏肉以外の串焼きを含む地域・文化的な使用をされる場合です。

例えば

牛・豚・馬などの肉や内臓系・野菜・混合串などの串焼きにしたものを指します。

豚肉、牛肉、馬肉など、【やきとり】の具材は、地域によって様々です。

鶏以外の肉を使用する方が、一般的という地域もあるようです❗️

ただし注意すべき点は、これはあくまで地域習慣・表記の慣例であって、全ての地域やお店でこの区別がきっちり守られているわけではありません。

一般的には「焼き鳥(焼鳥)・やきとり」は同義語として扱われていることが多い現実もありますが、こういった表記の区別があるということを知っていただけたらと思います。

漢字とひらがなの使い分け

承知の通り、日本語には「漢字」「ひらがな」「カタカナ」があり、これらを使い分ける時は、言葉の持つイメージやニュアンス、視覚的印象を操作するために使い分けます。

  • 漢字表記(焼き鳥/焼鳥)
    • 重圧感、伝統性を表現
  • ひらがな表記(やきとり)
    • 柔らかさ、親しみやすさ、庶民性を表現

特に飲食店や広告・看板などでは、これらのニュアンスを使い分けるケースが多々あります。


日本三大やきとり

皆さんは

  • 日本三大やきとり
  • 日本七大やきとり

と、言われている街があるのをご存知でしょうか❓

このように称される地域が存在し、それぞれに特徴的な焼き鳥/やきとり文化があります。

これらの地域は、地元で親しまれてきたスタイルを外部に発信・ブランド化したものと言えます。

まずは、代表的な3地域を指す【日本三大やきとり】である

  • 室蘭やきとり(北海道)
  • 東松山市やきとり(埼玉県)
  • 今治焼き鳥(愛媛県)

を、紹介したいと思います♪

これらは、味付け・素材・調理法・食文化において特徴を持っており、それぞれが「その地域の代名詞」として語られます。


北海道室蘭市【室蘭やきとり】

室蘭やきとりは、鶏肉ではなく

北海道室蘭市の豚肉と玉ねぎを交互に串打ちしたやきとりで、郷土料理となっています!

甘めのタレと洋がらし、練りからしの味付けが一般的ですが、塩でも食べられるお店もあるようです!

【ねぎま】の場合は、豚肉と玉ねぎの串焼きがほとんどだそうです。

昭和初期に、室蘭市では農家では豚を飼育するようになった背景から、豚肉の流通が盛んになりました。

そして1933年には豚肉の串焼きの屋台が営業していたそうです❗️

その後、雀(すずめ)などの野鳥の串焼きを出していた【鳥よし】という店を開店。

当初から豚肉やモツの串焼きを提供していて、これが【室蘭やきとり】の元祖と言われています!


埼玉県東松山市【東松山やきとり】

東松山のやきとりは、昭和30年に誕生!

豚の「カシラ(頬、こめかみ部分)」という部位を、辛いみそだれをつけて食べるスタイルです!

元々カシラは食肉としては使用されてなく、主にハムやウィンナーなどの加工食品として使用されていました。

昔は、肉は高級食材だったことからなかなか食べられなかったそうですが、近くに食肉センターがあり、安価で新鮮なカシラ肉が手に入り、この肉を朝鮮出身の方が屋台で焼いて出したのが始まりと言われているそうです❗️


愛媛県今治市【今治焼き鳥】

【室蘭やきとり】【東松山やきとり】は、豚肉を使用したやきとりでした。

今治焼き鳥は、文字通り鶏肉を使用した焼き鳥!

しかし今治焼き鳥は、串打ちした直火焼鳥ではなく鉄板焼きにするのが特徴です!

1961年に【五味鳥】というお店が始めたのが始まりで、評判になった事から続々と鉄板焼き鳥屋が増え、今治市に定着したそうです。

1cmの厚さの鉄板に肉を並べて、さらに【プレス】と呼ばれる持ち手付きの鉄板で、上から押さえるという調理法。

今治市は商売人が多い街。

今治の商売人は【せっかちで待つのが嫌い】という気質があるそうで、時間がかかる【炭焼き】や【直火焼き】ではなく提供時間の短い【鉄板焼き】にしたのだそうです。

しかも、安くて美味しい事から爆発的な人気を呼んだそうです💡


日本七大やきとり

三大やきとりから、さらに広く「七大やきとり」として認識される地域があります。

  • 美唄焼き鳥(北海道)
  • 長門やきとり(山口県)
  • 福島焼き鳥(福島県)
  • 久留米やきとり(福岡県)
  • 先の3地域(室蘭・東松山・今治)

これらを比較することで串料理の多様性を味わう事ができます。


北海道美唄(びばい)市【美唄焼き鳥】

昭和20年大半ば頃から美唄市民に愛されている【美唄(びばい)焼き鳥】

焼き鳥は通常1本の串に1種類の部位を串打ちします。

美唄焼き鳥は

皮やモツ・砂肝・レバーなどの様々な部位を1本で楽しめるのが最大の特徴!

串本には【皮】、先には【もも肉】を串打ちするという決まりがありますが、そのほかの間になる部分の組み合わせは自由です!

このような「混合串」の文化は、串料理の多様性を象徴する例です。


山口県長門(ながと)市【長門やきとり】

山口県長門市は焼き鳥店舗数が、日本トップクラスを誇る【焼き鳥の街】!!

長門やきとりはシンプルに塩で味付けしていますが

  • ガーリックパウダー
  • 一味・七味唐辛子
  • 柚子胡椒

が置かれているところもあり、好みに応じてこれらの香辛料等をかけて食べるのが【長門流】の食べ方になります!


福島県福島市【福島焼き鳥】

福島市に隣接する地域

  • 赤鶏系銘柄鶏【伊達鶏】 
  • 地鶏【川俣シャモ】 

などの鶏肉を中心に豚肉や内蔵などを用いるのが【福島やきとり】の特徴❗️


福岡県久留米市【久留米やきとり】

久留米やきとりの特徴は品数の多さ!!

鶏や豚はもちろん、牛・馬・魚介類・野菜・巻物などを串打ちし焼き上げます。

内蔵系の品数も豊富です!

【現代用語の基礎知識】では

  • 店ではまず酢ダレのかかったキャベツが出る。
  • 基本は塩焼きで、肉の間に玉ねぎが挟まれている。
  • 豚、牛、鶏が混在したスタイルで、創作巻物も豊富。
  • 珍しいメニューに【ダルム】(豚の小腸)や【センポコ】(牛の大動脈)などがある。

久留米のお店の方達が、お客様を喜ぶ味を追求し一品一品増やした結果、豊富な種類となったとのこと。

今も尚こうして形として残っているのは、当時の方達の努力があったからなのだと思いました!

久留米やきとりの始まりは

屋台で出されたのが始まりとされているそうです!

現在、最古参の屋台は

1963年(昭和38年)に開業した屋台だそうです。

昭和30年代から40年代にかけて、高度成長期を維持し躍進期を迎えた頃に、工場で働く人達が屋台の開店前から並んでいたそうで街は賑わいを見せていたそうです💡


まとめ

いかがでしたでしょうか❓

同じ【やきとり】の文字でも表記による意味の違いや、地域によって【やきとりの形】が違う事がおわかりいただけたと思います。

結論的には

  • 焼き鳥
    • 鶏肉・鳥肉を使った串焼き
  • やきとり
    • 地域によって鶏以外も含む広義の串焼き

という使い分けをする考え方が存在することを解説しました。

しかし、実際には多くのお店・消費者ではほとんどが同義語として捉えられている実情があります。

以上【焼き鳥】と【やきとり】の違い・【日本三大・七大やきとり】の紹介でした❗️

最後まで読んでいただきありがとうございました❗️

少しでも焼き鳥を知ってもらえたら嬉しいです☺️