「廃鶏(はいけい)」という言葉を聞いてピンとこない人はほとんどだと思います。
「ブロイラー」「銘柄鶏(めいがらどり)」「地鶏(じどり)」「種鶏(しゅけい)」と紹介してきましたが、今回は食用鶏の種類のラストの紹介になる「廃鶏(はいけい)」について、どんな特徴なのかなどをわかりやすく解説していきます!
廃鶏(はいけい)とは?

種鶏(しゅけい)でも説明しましたが、主に国内で流通している食用鶏は、先日紹介した
- 【ブロイラー(若鶏)】
- 【銘柄鶏(めいがらどり)】
- 【地鶏(じどり)】
この3種類になります。
廃鶏(はいけい)とは
採卵期間を終えた雌鶏の事で、簡単に説目すると「おばあちゃん鶏」になります。
主に採卵用に飼育された鶏が、その役目を終えた時に呼ばれる名称です。
廃鶏(はいけい)は卵を産むために1年以上大切に育てられてきた鶏たちです。
ブロイラーや銘柄鶏(めいがらどり)、地鶏とは違った特徴を持つため、一般にはあまり知られていません。
採卵用として育てられていたことから、健康管理には特に気をつけて飼育されていたため、ブロイラー(若鶏)などに比べると栄養価の高い鶏です。
廃鶏の種類

廃鶏(はいけい)になる鶏は、主に2種類。
- 種鶏(しゅけい)
- 採卵鶏(さいらんけい)
種鶏(しゅけい)は、前回説明したように食用鶏になるブロイラー(若鶏)の卵を産む親鳥のことを言います。
採卵鶏(さいらんけい)は
成鶏(せいけい)と呼ばれ、私たちの食卓に欠かせない卵を生産する目的で飼育されている雌鶏の事をいいます。
採卵期間は約2年になります。
それらを過ぎた鶏が廃鶏(はいけい)となります。
飼育日数と特徴

種鶏(しゅけい)もそうですが卵を産んだ鶏は、肉質が固くなります。
廃鶏(はいけい)は、ブロイラーと比べると明確な違いが2点あります。
- 肉質が硬い
- 旨味が非常に濃い
廃鶏(はいけい)の飼育日数が500日~700日と長く、運動量を保ちつつ卵を産み続けるため筋肉質で引き締まった体になります!
その分、肉質は硬くなりますが「噛めば噛むほど味が出る」という旨味の面での評価が高いのが廃鶏(はいけい)の特徴です!
肉質が硬い事から、正直な所焼き鳥にはあまり不向きではありますが、廃鶏(はいけい)を使用した焼き鳥屋さんもあります!
だいたいの廃鶏(はいけい)は、肉質が硬い為に一般流通は難しく、主にペットフードや加工品用として出荷されている事が多いです。
とはいえ先ほども言いましたが、種鶏も廃鶏もみなさんの食卓に並ぶ食用の肉や卵の採卵用として飼育している事もあり、常に健康・栄養管理が徹底されている為、ブロイラー(若鶏)に比べると栄養価の高い鶏なのです。
先ほども言いましたが、一般流通はしていないので、なかなかお目にかかることはないかもしれませんが、焼き鳥屋やその他飲食店で取り扱っているところもありますので、もし見つけたら是非食べてみて下さい。
ブロイラーや地鶏の違いは?
鶏種類 | 飼育目的 | 飼育期間 | 肉質 | 主な用途 |
ブロイラー | 食肉用 | 約50日 | 柔らかい クセが少ない | 焼き鳥 唐揚げ 煮込み料理 |
地鶏 | 食肉用 味重視 | 約80~120日 | 歯応えあり 旨味濃厚 | 焼き鳥 親子丼 鍋料理 |
廃鶏 | 採卵用 採卵後の再活用 | 約500日以上 | 硬め 味が濃い | 出汁 加工品 ペットフード |
ブロイラーは短期間で大きく育つように品種改良されていて、柔らかさや扱いやすさがウリ。
地鶏はじっくりと育てられて、味重視でコクのある味わいが特徴です!
一方で廃鶏は、そのどちらでもなく「採卵という役目を終えた鶏」であることから、肉用に特価していない分、扱いにはコツがいりますが、実は優秀な食材なのです!
廃鶏の流通と市場の現状
廃鶏は年間数千万羽規模で発生していますが、そのほとんどが加工品か業務用に回されており、家庭用市場にはほぼ出回っていません。
理由としては
- 消費者の「硬い=食べにくい・扱いにくい」というイメージ
- スーパーや小売店の流通ルートが整っていない
- 加工場での解体コストや輸送コストがかかる
などがあげられます。
しかしながら近年、「サステナブル(持続可能)」というSDGs(エス・ディー・ジーズ)の視点からも注目が集まっており、食品ロス削減の観点で廃鶏の価値が見直されつつあります!
近年では
- 廃鶏専門のレトルト食品
- 廃鶏を使用したスープ
- ペットフードとしての活用
などといった、新たな活用方法も増えてきています。
廃鶏は、一般家庭で扱われる機会は少なくとも、実はポテンシャルのある素材です。
特に環境負荷の低減や命を無駄にしない取り組みとして、今後さらに注目される存在になると思います!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
廃鶏とは、卵を産み終えた雌鶏の事で、肉質は硬めではあるけれど非常に旨味が強く、スープや加工食品に適した食材です。
普段あまり見かける事はないかもしれませんが、じっくりと時間をかけて調理する事で深い味わいが引き出せます!
サステナブルな食の選択肢としても、今後さらに評価されるべき存在なのです!
もし「親鳥」として見かける事があるならば、迷うことなく一度その旨味の深さを味わってみてはいかがでしょうか?
最後に...
「ブロイラー」から始まり食用鶏の種類に関しての説明をさせていただきました。
鶏によってエサや飼育日数・飼育環境の違いで、それぞれの旨味の深さや肉質の特徴に変化がある事がわかっていただけたと思います。
これを機に改めて、普段の食卓でも鶏料理を楽しんでいただけたらと思います。
以上、廃鶏(はいけい)の雑学でした。
少しでも焼き鳥を知ってもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました‼
コメント